第4回 研究推進体「ストレス」フォーラムを開催しました

第4回 研究推進体「ストレス」フォーラムが、2011年9月28日(水)に医学部基礎カンファレンスルームにて開催されました。今回は、 「神経系細胞の環境変化への応答」というテーマで5名の先生方に、中枢神経組織での恒常性に焦点を当て、組織内環境の変動に関わる重要な分子について、グリア細胞、血管平滑筋の機能の面から、また個体の行動の面からの知見を紹介していただきました。

最初の2題は、神経膠細胞に対する研究発表でした。Kazem Sharifi 先生(器官解剖学)は、脂肪酸結合タンパク質がアストロサイトの増殖制御に関わることを報告しました。石井文彩先生 (病理形態学)は、腫瘍幹細胞ニッチ解析に繋がる膠芽腫幹細胞の探索を通して、幹細胞に発現される分子を検討した結果について紹介しました。後半の2題は、血管攣縮の分子機構についての発表でした。張影先生(生体機能分子制御学)は、培養系での知見を基に、細胞膜ラフトに存在するパキシリンがストレスファイバー形成誘導を介して血管の異常収縮に関わる可能性を報告しました。白尾敏之先生(脳神経外科学)は、マウス脳底動脈の灌流モデルでの知見をもとに、血管攣縮の発生を促進すると推測される血管平滑筋の細胞膜ラフトの減少とコレステロールとの関連について紹介しました。最後の1題は臨床で用いられる抗うつ薬の作用の分子機序に関わる発表でした。芳原輝之先生(高次脳機能病態学)は、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤による海馬歯状回でのCAMKII発現増強により、うつ行動が改善するメカニズムについて報告しました。

フォーラムは、基盤系・臨床系の研究者が多数集まり、研究進展に向けた提案や臨床的側面からの提言などが行われ、活発な討論がなされました。

 (器官解剖学 澤田知夫)